幸せを呼ぶ

ロードナイトとは

落ち着いたピンクから紫がかった赤色が特徴のロードナイト。一般的には半透明のものが多く、石の中にマンガンが樹枝状の黒い模様を形成しているのが特徴です。しかし、中にはマンガンの含有量が少なく、透明度が高いルビーのような石もあります。特に、発色がよく透明度が高いロードナイトは「インペリアル・ロードナイト」と呼ばれ、特に人気があります。

歴史と伝説

かつて、ウラル山脈のエカテリンブルクにある鉱山で、高品質で美しいロードナイトが発見されました。このロードナイトは、同じくウラル地方の特産品であるマラカイトと共に工芸品に加工され、ロマノフ王朝からヨーロッパの王朝に贈られたと言われています。

サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館には、ロシアの貴族や皇帝が所有していた貴重なロードナイトの装飾品が数多く保存されています。今日でも、ロシアの子どもたちは友情のしるしとして、イースターにロードナイトの卵を交換する習慣があるそうです。

また、アメリカ先住民の間でも、ロードナイトはターコイズと並んで神聖な石として大切にされてきました。ロードナイトは、魂と宇宙をつなぎ、霊的な力を高める石と考えられており、魔除けや除霊など、宗教的な儀式で用いられていたようです。

語源

「ロードナイト（Rhodonite）」は、ギリシャ語でバラを意味する「rhdon(ロドン)」がその名の由来です。

和名では「薔薇輝石」とも呼ばれていますが、実はガラスのような光沢をもつ「輝石」ではなく、マンガン系の珪酸塩鉱物で「半輝石」に分類されます。発見当時は輝石の仲間と考えられていましたが、のちの調査により「半輝石」と判明しました。しかし今なお「バラ輝石」の名前で親しまれています。